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日外アソシエーツの出版物で、雑誌や新聞に掲載された書評や、著編者による自著紹介を記したブログです。

   
カテゴリー「企業不祥事事典」の記事一覧
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20615.jpg 「企業不祥事事典―ケーススタディ150
 齋藤憲監修 2007年7月刊
 定価5,800円(本体5,524円)
 A5・500頁 ISBN978-4-8169-2061-5
 案内サイト:
 http://www.nichigai.co.jp/sales/company_scandal.html

 贈収賄、架空取引、異物混入、不正入札、顧客情報流出…企業不祥事は後を絶たない。日外選書Fontanaとして刊行された『企業不祥事事典―ケーススタディ150』(A5判・498頁・5224円+税)は、戦後から07年1月までの企業の不祥事をとりあげ、変革を迫られる日本的経営システムの問題点を明らかにしたものである。
 企業不祥事150件を、ガバナンス―経営者関与、ガバナンス―従業員関与、製造物責任、日本型企業風土、報道機関の使命欠如、の五つに分類して掲載。
 ガバナンス―経営者関与なら昭和重工事件(48年)、造船疑獄事件(54年)、チッソ事件(56年)、丸紅ロッキード事件(76年)から最近のライブドア証券取引法違反事件、村上ファンドインサイダー事件、日興コーディアルグループ不正会計処理問題まで46のケース。そのうち37件は90年以降の不祥事が占める。
 それぞれのケースは、事件の背景、発端、経緯、経過、企業の対応、警察・検察の動き、裁判までを詳細に記述。
 また関連の新聞、雑誌記事や書籍、それにwebサイトなどの参考文献も記載される。
 「報道機関の使命欠如」のケーススタディは、朝日新聞珊瑚事件(89年)、TBSオウムビデオ事件(同)、日本テレビ視聴率買収事件(03年)、NHKチーフプロデューサー番組製作費詐欺事件(04年)、NHK番組改編事件(同)、「週刊朝日」武富士からの編集協力費受け取り事件(05年)、日本経済新聞社インサイダー取引事件(06年)など。
 企業の危機を回避するための手引きとして活用できる一冊である。

出版ニュース 2007.8中旬号 p.11~12〔情報区〕より転載
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20615.jpg 「企業不祥事事典―ケーススタディ150
 齋藤憲監修 2007年7月刊
 定価5,800円(本体5,524円)
 A5・500頁 ISBN978-4-8169-2061-5
 案内サイト:
 http://www.nichigai.co.jp/sales/company_scandal.html

 各種ユニークな事典を刊行し続けている日外アソシエーツ社から、今般“企業の不祥事に関する事典”が出版された。A5判、約500ページ、定価5,800円という大著である。過去の実例から学び、企業危機を回避する。そのような目的のために編纂されたもので、「興味本位」、「単なる企業批判」といった立場から書かれた本ではない。本書には、1945年(昭和20年)以降の150件のケースが簡潔にまとめられている。

 本書の監修者である齋藤憲氏は専修大学経営学部教授。専門は経営学、経営史であり『新興コンツェルン理研の研究』(1985年、時潮社、日経・経済図書文化賞受賞)、『戦後経営史入門』(共著、1992年、日本経済新聞社)、『稼ぐに追いつく貧乏なし―浅野総一郎と浅野財閥』(1998年、東洋経済新報社)等の著書がある。

 企業の不祥事といっても内容は種々雑多といってよかろう。贈収賄、架空取引、異物混入、不正入札、顧客情報流出、システム障害等色々ある。これら様々なケースを取り上げ、事件の経緯と当該企業の対応、警察・検察の動き、裁判等が取り上げられている。一端、明るみに出た不祥事に対する企業側の対応の巧拙が詳述されているのは、本書が経営学者の監修によることに由来する。企業のリスク回避に、また内部統制の施行に本書は様々なヒントを与えてくれる。それぞれの事例ごとに、参考文献(単行本、雑誌、新聞、ホームページ等)が完備しているのも有難い。

 以下は、本書に収録された企業不祥事の事例。ご覧のように、ごく最近のものまでが含まれている。

 昭電疑獄(昭和電工)1948年
 砒素ミルク(森永乳業)1955年
 カネミ油症(カネミ倉庫)1968年
 女子行員横領(足利銀行)1965年
 ロッキード事件(丸紅/日商岩井)1976年
 逆噴射(日本航空)1982年
 ココム違反(東芝機械)1987年
 リクルート事件(リクルート)1988年
 損失隠し(大和銀行ニューヨーク支店)1995年
 セクハラ(アメリカ三菱自動車)1996年
 虚偽記載(山一証券)1997年
 臨界事故(JOC)1999年
 経営危機(ダイエー)2000年
 子会社手形乱発(日本経済新聞)2001年
 システムトラブル(みずほ銀行)2002年
 不正入札(三井物産)2003年
 顧客情報流出(ヤフーBB)2004年
 総会屋利益供与(西武鉄道)2004年
 土壌汚染隠蔽(三菱地所)2004年
 ニッポン放送株買収(ライブドア)2004年
 アスベスト(クボタ)2005年
 取引全面停止(東証)2006年
 食品偽装(不二家)2007年

 上記の企業不祥事は、本書のPR用文書(チラシ)の中にリストアップされていた実例から摘出した。幸いにして、このリストには保険会社の社名は一社も出ていない。しかし全150件の中には、保険金不払い関係で生損保会社名が複数出てくる。また、本書77ページ以下には中堅損保会社で上場企業であった大成火災が、不適切な再保険処理が原因で経営破たんした顛末が3ページにわたり紹介されている。2001年に米国で発生した同時多発テロ(いわゆる9.11事件)により生じた大成火災の経営破綻は、当時の損害保険業界を震撼させた大事件であった。「(航空機)四機が一度に墜落するなんて考えられない。社長としての見識が甘かった」という、当時の大成火災社長の謝罪発言も本書には引用されている。あれから五年余、この事件の「衝撃の記憶」は既に風化をし始めている。これから大学を卒業して損保会社に入社してくる若い世代に、リスク選択や再保険の必要性を教育するのに“大成火災事件”は格好の材料であるといえよう。この事件に関しての本書に掲げられた参考文献は豊富であり、更に探求することが可能である。

 また、本書は損害賠償責任保険の参考資料として極めて有効である。先にリストアップされた「砒素ミルク(森永乳業)」、「カネミ油症(カネミ倉庫)」等の他にも「薬害エイズ(ミドリ十字)」、「回転ドアによる小学生死亡(六本木ヒルズ)」等の多数の損害賠償に関する事例が紹介されている。保険会社の各拠点必備の業務用図書として極めて便利な本であるといえよう。少々値段がはるが、“自己啓発”のための書物として、保険会社社員が自宅に備えておくのに適した文献でもある。

 「報道機関の使命欠如」というカテゴリーで14件(本書全体の約10%に相当)の事例がまとめられているのも本書の特徴である。本来、企業の不祥事を監視し告発すべき立場にあるマスコミが起こしたスキャンダル。これら事象も枚挙にいとまがない。前記リストの日本経済新聞はその一例である。毎日新聞の記者が不発弾を所持していてヨルダン空港で起こした爆発事件(2003年)、週刊朝日が武富士から編集協力費を受け取っていた事件(2005年)、NHK記者放火事件(2005年)等が「報道機関の使命欠如」で紹介されている。マスコミ関係14件のうち朝日新聞とNHK関係が、各4件あった。両者で過半を占めたという計算になる。(U)

『週刊インシュアランス(損保版)』 保険研究所発行 2007.10.11 p.10~11〔新刊案内〕より転載


企業不祥事事典企業不祥事事典―ケーススタディ150
齋藤憲監修 2007年7月刊
定価5,800円(本体5,524円)
A5・500頁 ISBN978-4-8169-2061-5
案内サイト:
http://www.nichigai.co.jp/sales/company_scandal.html

 「信用を得るには100年、失うのは一夕」といわれます。不祥事によって、多くの従業員が路頭に迷います。
 タイトルは、ずばり、企業不祥事事典、といたしました。編集の意図は、監修の齋藤憲先生の文章に委ねるとしますが、この「監修に寄せて」も含めまして、本書のセールスポイントを幾つか列記したいと思います。
 なお、全体150のケースを載せ、それを、ガバナンス-経営者関与、ガバナンス-従業員関与、製造物責任、日本型企業風土、報道機関の使命欠如、の5つのカテゴリーに分け、分類しております。

1)戦後のパースペクティブ、すなわち、この60年余りの我が国の経済・産業、企業の発展と紆余曲折の視座のなかで本テーマを捉えています。
 日本的経営すなわち、終身雇用・年功序列、品質管理追求というパラダイムのなか、Japan as no.1 といわれ、その後のいわゆる「バブル崩壊」から現在に至る動き、外資席巻やM&Aで受身的対応を迫られ、新しいパラダイムを創出しえず、もがき苦しんでいる、というこの企業社会の一断面を、いわば「負」の検証から捉えたつもりです。
 巷間には、最近の事例をもとに一方的にスキャンダラスな面を暴いたり、来る内部統制の法律に対応の照準をあわせたもの、あるいは企業の社会的責任(CSR)の今日的な観点からの分析という本も多く見受けられますが、それらを読む上での事実関係の基本的資料という面も持たせました。

2)掲げた不祥事の一連を注意深く見ていきますと、いわゆる「内部告発」から明るみに出た、ということが分かります。2004年に「公益通報者保護法」が公布され、それはいまや、従業員は忠誠を尽くす、会社は一生面倒見る、という我が国の成長期経済を支えたスローガン・終身雇用が崩壊していることの一端が示されているように思います。現在は会社発展の為の高い規律や企業への帰属意識が持ちにくくなっています。
 このような新しい図式のなかでの企業不祥事報道を、忠実に追ったつもりです。

3)事後に関係者の処分・報酬一律カット、という横並び的対処や、対応を誤り、燎原の火のように事が大きくなっていく様が叙述されています。
 さらに、不祥事を真摯に受けとめ、あたらしい対応をする様も積極的に入れています。
 マイナス情報も含めた徹底した情報開示などリスク回避の具体的な方法論を求めるためにも、その道しるべ・リスクマネジメントの手段となりうると思います。

 3代に亘ってこの会社に勤めています、と誇らしげに語る従業員に出会うことがあります。企業人は「会社のため」に働き、それは一部「エコノミックアニマル」「企業戦士」と揶揄されて今日まで来ました。この不祥事からは、確かにそうだと思われるものものから、さらには企業人の哀切さまでもが垣間見えます。
 本書によって、企業社会が日本的な企業システムから脱却し、あらたなパラダイムに立ち、フェアーな市場において、高い安全意識や規律を取り戻すことの一助になればと希うものです。

朝日 崇(日外アソシエーツ編集局)

  
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