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日外アソシエーツの出版物で、雑誌や新聞に掲載された書評や、著編者による自著紹介を記したブログです。

   
文献から見たヨーロッパの服装
平井 紀子著
装いのアーカイブズ
―ヨーロッパの宮廷・騎士・農漁民・祝祭・伝統衣装
2008年5月刊 A5判 256頁 本体3,200円
日外アソシエーツ発行/紀伊國屋書店発売

■文献から見たヨーロッパの服装

 服飾の歴史は、人間そのものの歴史ともいわれる。平井紀子著『装いのアーカイブズ』(A5判・245頁・3200円+税)は、中世から近代ヨーロッパの服飾文化を図版とあわせて解説したもので、読んで見て楽しめる一冊である。

 本書は、階層や機能、服種により類別して解説。「君主および皇帝・皇后の服装」の章ではフランス、トルコの権力者の衣装をとりあげる。

 フランスの18~19世紀の宮廷衣装は服装史上もっとも優雅で華麗といわれる。冒頭はマリー・アントワネットの宮廷衣装。次が皇帝ナポレオンの宮廷礼服で、図版の解説、典拠文献、解題と展開。革命以後の洒落者たちの出現、ナポレオンの宮廷衣装、さらにナポレオンの繊維・服装産業への復興政策にも言及。ナポレオンは革命により衰退したレース産業復興のため帝政時代の宮廷衣装に再びレースを取り入れたという。

 「祝祭服・儀礼服」では、ウェールズ・ドルイドの祭礼服、聖週間の行列衣装、ロマン主義時代の結婚衣装、白糸刺繍の先例服等々。

 フランス、ブルターニュ地方のパルドン祭の老女の服装もその一つで、<中年を過ぎた女たちは白いレースの丈の高い伝統の円筒形の帽子で髪をまとめ、だぶだぶの黒いスカートの上に前垂れをかけて>教会へ出掛けるという。

 「作業服・農民服・職業服」では、ラップ人の漁労服、サルデーニァ島のパン屋の主婦、チロルの猟師、イタリアの帽子売り、ドイツの飛脚等々。

 「戦士の服装」「地域の伝統衣装」「スポーツ服、遊技服」にもそれぞれ一章をあてている。

 著者は大学卒業後、母校の文化女子大学図書館に勤務。同大学は「服飾稀覯文庫」を所蔵するなど世界でも有数の服飾専門図書館である。著者はこうした文献に司書として携わった経験を生かして興味深くまとめている。

 左の写真は、「戦士の服装」の中の巨大なスプーンを持つイェニチェリ(オスマン・トルコ、16世紀?)。このスプーンは食事の際、兵士にスープを配るときに用いられた。

装いのアーカイブズ挿絵装いのアーカイブズ表紙


                  



<出版ニュース 2008年7月上旬号 12頁「情報区」より転載>
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