日外アソシエーツの出版物で、雑誌や新聞に掲載された書評や、著編者による自著紹介を記したブログです。
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「図書新聞」2011年4月16日号(第3010号)に『歌い継がれる名曲案内 音楽教科書掲載作品10000』の紹介記事が掲載されました。
「うみ」「箱根八里」「イエスタデイ」「地上の星」―戦後の音楽教育の潮流を知る
本書は、1947年に教科書検定制度が制定されて以降、1949~2009年発行の小・中・高等学校の音楽教科書1,354冊に掲載された楽曲を掲載した作品目録です。日本と外国の唱歌や童謡、民謡、歌曲、ポップス、器楽曲など、楽譜や歌詞が掲載された全ての曲名を網羅し、小・中学校については鑑賞教材の曲名も掲載しています。教科書は学校に通っている時には誰もが持っていたものですが、多くの人の手元には既になく、通常の図書館でも所蔵していません。そのためこれまで教科書の内容を調べることは非常に困難でしたが、本書の刊行によって簡単に調査できるようになりました。
本文は作者ごとに作品名を一覧出来、作曲者名と作詞者名のどちらからも調べられるようになっています。一例を挙げると、戦前の文部省教科書に掲載された岡野貞一作曲・高野辰之作詞の作品からは、「おぼろ月夜」「春がきた」「春の小川」「ひのまる」「ふるさと」などが制度制定当初から現在に至るまで掲載され続けていることが分かります。作品名については、同じ作品と分かるものは一つの見出しに集め、異なる作品名を補記する形を取りました。例えばフォスター作曲の「故郷の人々」は教科書によって、「こきょうの人びと」「スワニー川」「Old Folks At Home」などの作品名で掲載されていたことが分かります。作品が掲載された教科書名と出版社名、出版年も記載していますので、いつ頃にどの出版社の何年生の教科書に掲載されていたかも簡単に調べられます。また巻末には作品名から引ける索引を付し、検索の便を図りました。
特定の作品を調べるレファレンスツールとして使えるだけでなく、音楽教育の変遷や傾向、また児童文化を研究する資料としても役立てていただける充実の内容となっています。なお、教育研究の資料としては、弊社既刊の高校国語教科書の掲載作品目録『教科書掲載作品13000』『同 小・中学校編』も併せてお使いいただければ幸いです。(日外アソシエーツ 編集局 吉本哲子)
『歌い継がれる名曲案内 音楽教科書掲載作品10000』
日外アソシエーツ〔編〕 A5・1,060p 2011.1刊
定価12,915円(本体12,300円)
ISBN:978-4-8169-2291-6